6~11歳ころは乳歯と永久歯が生え変わる時期で、歯科では「混合歯列期」と呼ばれます。体が大きく成長し顎も発育していくこの時期は、顎の発育と歯列のバランスが崩れやすい時期でもあり、反対に簡単に修正ができる矯正に最適な時期でもあるのです。
小学生くらいになると、歯の健康、身体の健康の大切さについても十分理解が及ぶようになります。ですから、きちんと説明すれば、矯正治療に自分からすすんで取り組むことも期待できます。また、予防矯正で取り扱う矯正装置は、取り外し可能なストレスの小さいものとなります。もちろんご家族の励ましや、心理的なサポートは欠かせません。
ストレスの少ない予防矯正を受けてほしいから
京都市北区の歯医者「小佐々(こささ)歯科診療所」では、これまでの小学校や幼稚園の担当歯科医の経験と、矯正治療に長年携わった経験をフルに活かし、お子さんの予防矯正をよりよいものといたします。
お子さんの歯並びにお悩みがあれば、できるだけ早くご相談ください。大人になってからでも矯正治療は可能ですが、早ければ早いほど、スムーズかつ負担を抑えて歯並びを整えられます。
小学生の矯正ではどんなことをするの?
早期矯正の一番のメリットは、健康な歯を抜歯するリスクを抑えられるということにあります。不正咬合を解消するための矯正では、歯を移動させることになりますが、ほとんどの場合が、顎に歯が並ぶだけのスペースが確保できないのです。そのため、顎の発達が見込めない成人の場合は、健康な歯を抜歯する必要が出てくるのです。
床矯正(拡大床)
混合歯列期に行う予防矯正は、顎の骨を拡大し、歯がきれいに並ぶスペースを確保することを目的とします。そのため、一般的にイメージされがちなブラケットなどの目立つ矯正装置ではなく、床(しょう=歯が並ぶ歯ぐき・顎の骨)を内側から少しずつ拡大する装置を使用します。
次のような症状があるなら、咬合に何らかのトラブルを抱えている可能性が高いといえます。気になる症状があれば、一度当院へご相談ください。
- 奥歯を使わず前歯だけでものを噛んでいる
- よく噛まず食べ物を丸飲みしている
- 口の中に食べ物を溜めながら食べている
- 口呼吸をしている
- 固いものを食べたがらない
- 息漏れや発音に不自然さがある
- ほほの内側をよく噛んでしまう
- ケガで歯が抜けたり欠けたりしている
- 舌のクセがある
- 第一大臼歯の生え方がおかしい
- 舌が前の方にぺろぺろ出る
- 生えてこない歯がある(先天性欠如症)
- 歯ぎしりをしている
- 生えてきた歯が正常な本数より多い
- 口元のケガが多い
- 2つ以上の歯がくっついて生えている
「狂いは小さいうちに治す」~お家で取り組める不正咬合予防
乳歯と永久歯の入れ替わりというダイナミックな変化が起きるこの時期には、日々の習慣が永久歯の生え方に大きく影響を与えます。ですから、この時期に歯にいい生活習慣が身につけられれば、将来の咬合、お口の健康にとってよりよい環境が得られるといえます。
子どもの不正咬合には、早期発見・早期対応が鍵を握ります。歯科医院で行う治療・処置も大切ですが、あわせてご家庭で良い生活習慣・食習慣を付けてあげましょう。
噛む力と姿勢・トレーニング
「噛むこと」は毎日の食事にも欠かせないことですが、成長期にはより重要な役割を担います。気をつけていただきたいのが、噛むとき、つまり食事をするときの「姿勢」です。よい姿勢で食事をすると噛む力が強くなると同時に、噛む回数も自然に増えてきます。
噛むことはだ液の分泌を促し、顎の発達に役立ち、また、その刺激は脳にも伝わるので、知能の発達にもよい効果が期待できます。ぜひ、姿勢を見直し、よく噛める食事を心がけてください。当院の予防矯正では、この噛む力を強くするためのトレーニングも行っています。関心がある方は、ぜひお気軽にご相談ください。
良い姿勢 | 悪い姿勢 |
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噛む力とお口の周辺筋肉を鍛える健康法
当院で行っている予防矯正には、器具を使ったトレーニングが含まれています。そのひとつが、CAM CAMとパタカラです。いずれも当院で正しいトレーニング方をレクチャーしたのち、毎日ご自宅で取り組んでいただきます。
現代人の噛む力や口腔周辺機の機能は、低下傾向にあります。これらのトレーニングを幼いうちから行い、身体の基礎ができれば、不正咬合の予防になるだけでなく、さまざまな身体の不調を改善したり、お顔の表情が豊かになったりといった効果が期待できます。
舌癖中止支援としてのMFT
器具を使ったトレーニングの他にMFTというものがあります。MFTとはMyo Functional Therapyの略で、筋肉の機能的な治療法=「筋機能療法」といわれ、舌や口唇・口腔周囲筋を整えるためのトレーニング法をいいます。舌は天然の歯列矯正具との見方ができます。正常な舌は内方から外側に向けて歯列を発達させ、しっかりとした歯並びを作るからであります。しかし、弱々しい舌は歯並びを育てることなく、異常な舌の動きは異常な歯列を作り、また巨大な舌は歯列を拡大してしまうからです。したがって、歯列という形態を整えるためには、舌や口唇等の機能を正していくことが大切です。その最たるものがMFT(筋機能療法)です。
正しい舌の安静時の位置は舌突が軽く口蓋の切歯乳頭の少し後方部に当っている。そして、嚥下時にも同じ位置に舌突が触れている。この位置をスポットと呼びます。MFTではこのスポットを意識して、舌をつける練習をしていきます。
舌が正しい位置にあれば、口呼吸することはできません。舌にも正しい使い方があり、唾液を飲み込むときの舌の位置を間違ったままにしておくと、歯並びがどんどん悪くなります。
口呼吸でなく鼻呼吸を~鼻呼吸で学力アップ!?
鼻には、吸った空気に含まれるホコリや細菌を取り除く浄化機能があり、のどや肺に刺激のないきれいな空気を届けるといった働きがあります。また、脳の活動によって発生した熱を下げる効果があるため、鼻呼吸によって集中力も高まります。
歯と鼻呼吸にいったいどういった関係があるかと思われるかもしれません。ここで問題にしたいのは、口呼吸にデメリットが多く、不正咬合の原因につながりやすいことです。
口呼吸だと口腔内が乾燥しがちになるため細菌が繁殖し、虫歯や歯周病になりやすいのです。
また、舌の位置が正しく維持できなくなることが歯列に対して大きく影響を与えます。そのため、不正咬合を予防するためにも、口呼吸ではなく鼻呼吸ができるようにしていただきたいと思います。